古代エジプトマニア > 古代エジプト 歴史 > ナグ・ハマディ写本

Ancient Egyptian Cat God Bastet Statue Bast Diety古代エジプトの猫神バステト女神靱皮Diety

古代エジプト 歴史

ナグ・ハマディ写本

今日は、エジプトで発見された隠さなければならなかった
古い写本について書く。

この写本が何故。
土の中に隠されたのか。
この時代に何があったのか。
そういった事を考えながら読むとおもしろいです。

367年
アレクサンドリアの司教アタナシオスが、
「新約聖書正典27文書以外の文書は全て焼き捨てよ」と命令。
エジプト中の教会に発令したので、
その時修道士の一人(グノーシス派)が埋めて隠したのではないかと
考えられています。



ナグ・ハマディ写本

あるいは

ナグ・ハマディ文書(Nag Hammadi Library)と呼ばれる13巻52の文書からなるからなるコデックス(冊子本)形態の写本である。

1945年
エジプトのナグ・ハマディ村(Nag Hammadi)近く
土中から古びた写本(古文書)が発見されました。


この、何者かによって地中に隠された古文書は

原典がキリスト教によって意図的に破棄・湮滅され、
実体が不明となっていたグノーシス主義の解明に大きく貢献しました。

グノーシス主義
(グノーシスしゅぎ、独: Gnostizismus、英: Gnosticism)
またはグノーシス(古希: Γνωσις、ラテン文字転写:Gnosis)
1世紀に生まれ、
3世紀から4世紀にかけて地中海世界で勢力を持った
古代の宗教・思想の一つである。
物質と霊の二元論に特徴があり、
普通名詞としての「グノーシス」は古代ギリシア語で「認識・知識」を意味する言葉であり、グノーシス主義は自己の本質と真の神についての認識に到達することを求める思想傾向を有する。
紀元2世紀から3世紀頃のキリスト教グノーシス体系を
「グノーシス主義(Gnostizismus)」と定義。
これを含めたより広い意味での「秘教的知識」の歴史的カテゴリーを「グノーシス」と定義した



1945年12月

エジプトのナグ・ハマディ村(古代の名はケノボスキオン。ルクソールから北西約80キロメートルのナイル河西岸に位置する小村)

その村から少しいった所のジャバル・アッターリフで、
肥料に使う軟土を掘り出すために出かけていたアラブ人農夫ムハンマド・アリ・アッサンマンが、封印された赤い素焼きの壷を土中から発見します。(ドキドキしますね☆)


同写本については早くから重大な発見であることが指摘されていたが、写本は古物商や国家の思惑に左右されて数奇な運命をたどる。

さまざまな事情によって公開が遅れ、
発見から実に32年の年月がたった1977年

アメリカ合衆国でファクシミリ版が出版されたことで
全容が明らかになった。

写本はもともと同地の修道院の書庫に収められていたものであったが、なんらかの理由で土中に秘匿したものと考えられている。

この修道院は4世紀にパコミオスが創設した大修道院であることが発掘から明らかになっている。
((290 頃-346) エジプトの修道士。カッパドキアの三教父の一人。弟グレゴリウスと共にアントニウスの隠修生活を発展させて、労働と祈りと共同の食事による共住制の修道会を創始。)



さまざまな研究によって、写本に記された内容は
おそらく1世紀半ばから2世紀にかけて成立したギリシア語の文献を
コプト語に訳出し、3世紀から4世紀にかけて修道院で筆写したものと考えられている。


ほとんどは古コプト語(サヒディック方言)で書かれており、
グノーシス主義に関する文書を中心に、
ヘルメス思想に分類されるもの、
プラトンの『国家』の一部などが含まれている。
※ヘルメス思想⇒神秘思想・錬金術の文脈に登場する神人であり、伝説的な錬金術師であるヘルメス・トリスメギストスにあやかって世界の神秘を味わい尽くそうとする思想の事を指す。本来は霊的な存在であるはずの人間が物質界に下降し、そこで認識を得て再び神界に復帰する、という往還運動をとりわけ重視する。

またこのほか、名前と断片しか残っていなかった
『トマスによる福音書』の完全な版が含まれており、
調査によってそこに書かれたイエスの語録はオクシュリュンコスで発見されたオクシュリュンコス・パピルスの一部とも共通することがわかった。
※エジプト中部のオクシュリュンコス(Oxyrhynchos 魚の名前に由来する地名。現在はバフナサ)で発見された数千点に及ぶパピルス文書

ナグ・ハマディ写本の最大の意義は、
従来は資料が少なく護教教父による反駁書(エイレナイオス:古代のキリスト教の理論家(教父)、司祭。『異端反駁』等)における引用や、

その否定的な主張でしか知られていなかったグノーシス主義の文献が多く含まれており、グノーシス思想の解明に貢献したことである。

※ナグ・ハマディ写本発見以前に知られていたグノーシス主義の資料は『(マグダラの)マリアによる福音書』
『イエウの書』
『ピスティス・ソフィア』などごくわずかであった。
エジプトで発掘され、後にベルリンに運ばれたパピルスの冊子、いわゆる『ベルリン写本』の冒頭部分が『マリアによる福音書』の写本であることが1896年に判明。



また、ナグ・ハマディ写本は20世紀に入って研究が進んだオクシュリュンコス・パピルスと並び、キリスト教の最古層に属する関係文書群としても注目を集めている。

冊子のうちコデックス I(Codex I)は、分析心理学の創始者でグノーシス主義に対し深い関心を抱いていたカール・ユングに、チューリッヒのC・G・ユング研究所を通じて贈られた為、『ユング・コデックス』とも呼ばれている。※スイスの精神科医・心理学者。深層心理について研究し、分析心理学(通称・ユング心理学)の理論を創始した。



ブログランキングに参加してます。
未来の励みになりますので、ポチっと押していただければ幸せです。
にほんブログ村 海外生活ブログ エジプト情報へ
にほんブログ村



「ピリポによる福音書」

主はマリヤをすべての弟子たちよりも愛していた。
そして彼(主)は彼女の口にしばしば接吻した。
他の弟子たちは主がマリヤを愛しているのを見た。
彼らは主に言った。
「あなたはなぜ、私たちすべてよりも彼女を愛されるのですか?」
救い主は答えた。
「なぜ、私は君たちを彼女のように愛せないのだろうか」
大貫隆訳(岩波書店ナグ・ハマディ文書)



* コデックス 1 (別名『ユング・コデックス』)
o 使徒パウロの祈り
o ヤコブの秘密の教え
o 真理の福音
o 復活の教説
o 三部の教説
* コデックス 2
o ヨハネの秘密の教え
o トマスによる福音書
o フィリポによる福音書(ピリポによる福音書)
o アルコンの本質
o 世界の起源について
o 魂の詳説
o 闘争者トマスの書
* コデックス 3
o ヨハネの秘密の教え
o エジプト人による福音書
o 祝福されたものエウグノーティス
o イエス・キリストの知恵
o 救い主の対話
* コデックス 4
o ヨハネの秘密の教え
o エジプト人の福音
* コデックス 5
o 祝福されたものエウグノーティス
o パウロの黙示録
o ヤコブの第一黙示録
o ヤコブの第二黙示録
o アダムの黙示録
* コデックス 6
o ペトロと十二使徒の言行録
o 雷、完全なる精神性
o 正しき教え
o われわれの大いなる力の概念
o プラトンの『国家』の一部 -
本来グノーシス主義とは無関係。
      グノーシス寄りに改変されている。
o 第八の教え、第九の教え - ヘルメス文書の一部
o 感謝の祈り - ヘルメス想による祈り
o アスクレピオス21-29 - ヘルメス思想に属する教説
* コデックス 7
o セムの解釈
o 大なるセツの第二の教え
o ペトロの黙示録
o シルワノスの教え
o セツの三本の柱
* コデックス 8
o ゾストリアノス
o ペトロのフィリポへの書簡
* コデックス 9
o メルキゼデク
o ノエアの思想
o 真理の証言
* コデックス 10
o マルサネアス
* コデックス 11
o 知識の解釈
o ヴァレンティノス派の解明
o アロゲネス
o ヒュプシフォローネ
* コデックス 12
o シクストゥスの言葉
o 真理の福音
o 断片
* コデックス 13 (独立したコデックスの形ではなかった)
o 三つのプロテノイア
o 世界の起源について

<<レイチェル・ワイズさん主演 『アゴラ(Agora)』  | 古代エジプトマニアトップへ | 世界最大の図書館、アレクサンドリア図書館。>>

この記事へのコメント

  • 秀次郎
  • 2009年06月24日 00:05
  •  非常に深くエジについて研究されているのですね。とても参考になります。当時はナグハマディー写本のような文書が数多く存在してたと聞きます。日本語版があるのなら私も参考までに一度読んで見たいと思います。

    私は、本物は後世に末永く伝わり残り、
    偽りや偽者はいずれは泡のように消え去る宿命だと単純に考えます。

    それにしても興味深い記事いつもありがとう!
  • 家主
  • 2009年06月28日 05:12
  • 秀太郎さんへ☆
    コメントありがとうございます。
    写本は読んでみるとかなりおもしろいですよ。

    おすすめです〜
  • ピーチ
  • 2010年08月03日 09:59
  • ナグ・ハマディ文書について検索して、読ませて頂きました。 ヘルメス思想についても、とても興味深かったです。 ありがとうございました。

コメントを書く

お名前
メールアドレス
URL
コメント
認証コード
[必須入力]


※画像の中の文字を半角で入力してください。

Powered by Seesaa
×

この広告は1年以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。